四国ツーリング 2002
Part 4

2002.9.22~23 激揺れフェリー

今日は徳島まで行って、そこからフェリーに乗り東京まで向かうだけだ。いままでの行程でおこった出来事や出会った人々を思い返しつつ、朝のホテルで出発の荷造りをする。

このホテルは安いビジネスホテルなので、前日ホテルで受付したときには朝食はあまり期待できるものは出ないと思い、頼まなかった。昨晩、ガイドブックで朝から開店しているうどん屋を見つけたので、出発したらまずそこで朝食のうどんを食べる予定だ。四国のうどんに惚れこんでしまったので、四国にいる間は三食うどんでもかまわない気になっている。

徳島を11:30に出発のフェリーに乗るので、その1時間前ぐらいに徳島のフェリー乗り場まで行けばよい。高松から高速道路で徳島までは50kmとちょっとの道のりなので時間は余裕がある。のんびりと荷造りを終えたあと、ホテルをチェックアウトして目的のうどん屋まで向かう。

高松はきれいに区画整理された街なので道のりは簡単だ。迷うことも無く目的のうどん屋まで走る。地方都市の朝は静かだ。道沿いに多い大型店も全部しまっていて人通りはない。

うどん屋まで到着すると、1枚の張り紙が。臨時休業している!

くそー。今日は開いてるはずだったのに。こういうときに限って臨時休業とは。。。仕方ないので来た道をそのまま戻ることに。このうどん屋まで行くときに1軒のチェーン店らしいセルフのうどん屋を見つけていたので、そこで食べることにしよう。

そのチェーン店は吉野家や松屋といった牛丼屋と似たようなつくりの店構えだ。入ってみると、いかにもセルフのうどん屋らしく、うどんを取り、汁を入れてもらい、天ぷらなどの具を取って最後に会計するようになっている。それにあわせて好きな具を入れたうどんを作り上げる。

店内は1人だけ客がいたが、他はガラガラ。適当に席にすわりうどんをすする。味はまあまあかな。朝食が取れないよりずっとまし。もちろん東京の駅の立ち食いうどんよりはずっと美味しい。

食欲を満たすと店を出て出発。高松道の高松中央I.C.へ向い、高速道路へ乗る。

途中、SAでお土産を買う。いくつか味見したところ、すだちのタルトが一番美味しかったのでそれを購入した。

初日にも降りた鳴門I.C.で高松道を降り、徳島の市街地を通りフェリー乗り場まで向う。この道は初日にも通った道で、フェリー乗り場までの道順は所々に案内があり、まったく迷わずにフェリー乗り場まで到着。フェリー出発より1時間半前に到着した。

バイクを建物の前の駐車場に停める。何台かフェリーに乗船すると思われるバイクが止まっていたが、受付の窓口は閉まっている。道に迷った場合を考えて、時間には余裕を持って行動してきたから、ちょっと早く着きすぎたようだ。

フェリーにバイクを伴って乗るのは初めてなので、しばらくフェリーの料金表や案内表示を詳細に見ながらうろうろしていたが、やっぱり暇だ。徳島から東京まで17時間のフェリーの中では退屈するだろうから、雑誌でも買いにいこう。

バイクにまたがり来た道を戻って、フェリー乗り場まで行く道にあったコンビニまで行く。これから乗るフェリーの中では食堂がないと予約時に聞かされていた。全て自動販売機による食事になるそうだ。自動販売機の食事はまずそうだ。だったらコンビニ弁当のほうが幾分かましだろうと考えて、コンビニ弁当も買う。それとちょっと多めのお菓子も。

コンビニを出るとすぐ近くにセルフのうどん屋がある。これもフェリー乗り場まで行くときに見つけていた。時間もまだあるし最後にうどんをもう一度食べていこうかな。朝うどんを食べてから2時間もたってないが、うどんは消化が早いせいか、もう少し食べられそうだ。

うどん屋の駐車場にバイクを停め、戸を開けて入ろうとすると、どうやらまだ開店前らしい。開店までの時間を聞くと、あと40分後だとのこと。それでは遅いな。残念。

あきらめてバイクに戻ろうとすると、店員のおばちゃんに呼び止められた。うれしいことに開店前だけど特別に食べさせてもらえるとのこと。

店内ではまだ準備中で、店員さん達がせっせと下ごしらえをしている。いい匂いだ。うどんの麺をとり、汁を入れてもらう。具が置いてある棚には半分くらいの具はすでに並んでいた。どれもまだできたばかりのようだ。どれを入れるか迷っていると、天ぷらを揚げていたおじさんが、出来たての海老の天ぷらを入れるか?と言ってくれた。迷わずお願いする。今、揚がったばかりの天ぷらをそのままうどんに乗せてくれた。

比較的広い店内にひとり席についてうどんを食べる。うまい!!揚がったばかりの天ぷらはサクサクだ。具はどれも値段は高いものじゃないのに、出来立てだから本当に美味しい。空腹ってわけじゃないのに、どんどん胃の中に入っていく。

汗をかきながら夢中で食べていると、あっというまに食べ終わった。四国を離れる最後にいい思いができた。開店前に店に入れてくれた店員の人たちにお礼を言って店をでる。もう満腹だ。

フェリー乗り場に戻るとさっきよりもバイクが増えていた。バイクを停め、建物の中の窓口までいくとまだ受付は始まっていないようだ。一時バイクのところまで戻って受付開始を待つことにする。

バイクのところにいるとオフロードバイクの兄ちゃんから話し掛けられる。この人も室戸岬にいったらしい。あの周りには40kmにもおよぶ長いダートの林道があるらしく、そこを行ったり来たりしながらダート道を遊んできたらしい。

四国を周ってわかったことだが、別にスピードを出すことも無いのでリッターを超える大型なバイクではなくて、中型程度のバイクの方が取り回しがよく、このようなツーリングには向いている。

その兄ちゃんと話しているうちに受付が始まったようだ。窓口には行列が出来ている。並ぶのがいやなので受付用紙に記入したらまたバイクのところで行列が短くなるのを待つことにする。予約しているので乗れなくなることはないのだから。

受付用紙に記入しているうちにわかったことだが、車検証の提示が必要らしい。もちろん車検証をつねにつんではいるが、取り出すには荷物をいったん全て降ろさなければならない。面倒だが仕方ない。降ろして車検証を取り出した。受付まで行ってみると、先ほどより行列が短くなっているので、並んで受付をする。

受付後にバイクのところで待っていると、しばらくして係員が出てきた。指示に従いバイクをフェリーに乗せる。フェリーの横腹のところが開いており、そこに橋がかかっているので、バイクを走らせフェリーまで乗り込む。

フェリーの中は駐車場のようになっている。中にいる係員に従い奥のほうから順番に整列して駐車する。駐車して荷物を全部降ろすよう指示される。出来ることならフェリーの中で必要の無い荷物はそのまま積んでおきたかったのだが、それはダメらしい。お土産やらコンビニ弁当やらで細かい荷物が沢山あるので降ろすのに時間がかかっていると、その横で次々と係員がバイクにロープをかけ船体に固定し始めた。

やっと荷物を降ろし客室へ入る。このフェリーは全てが寝台なので、広い船室で雑魚寝したりすることはない。あとから行っても寝る場所がなくなるということがないから安心だ。自分の寝台まで行くと荷物をベッドの下に押し込む。二段ベッドの寝台だが、運良く下の段のベッドだったから、荷物の置き場所に困ることがなくてよかった。

フェリーに乗ってまずしなきゃいけないことは、風呂だ。風呂は時間帯によって混み合うのでまず最初に風呂に行くのがよいと聞いていた。早速タオルをもって風呂に行く。

船だから風呂は狭くて汚いだろうと思っていたが、思いのほか広くて清潔だ。5人くらいは同時に体を洗えるだろう。でも混み合ってきたら他人と体をぶつけ合いながら洗うことになるだろうから、空いている今のうち入っておいて正解だ。

風呂をあがり、広い共有スペースでくつろぐことにする。ここも汚いカーペット敷きの部屋を想像していたのだが、テーブルと椅子が並べられ、大型の横長テレビが置いてある小奇麗なスペースだ。快適な船旅になりそうだ。帰りはフェリーを選んでおいてよかった。

しばらくすると船が出向し始める。ビリビリと細かい振動が伝わり、だんだんと岸から離れながら船体の向きを変えている。向きを変え終わるとゆっくりとした加速でだんだんとスピードを上げて船が進み始める。

わずかな揺れを感じるが、不快ではない。紀伊水道を航行しているので波は少ないのだろう。しばらくしたらオフロードの兄ちゃんが寄ってきた。またTVを見ながら雑談をして時間をつぶす。兄ちゃんが自動販売機でスパゲティを買い食べているのを見ると、それほどまずそうではない。なんだ。これだったらコンビニ弁当買わないほうがよかったな。乗船する際に船内の自動販売機で使えるプリペイドカードを渡されるので、その範囲で自由に食べ物を買うことが出来るのだ。スパゲティ、カップめん、おにぎりや寿司などが選べる。

コンビニで買い込んでいたお菓子を食べながら3時間くらい雑談する。岸から遠ざかるとTVの電波が届かなくなりTVが写らなくなるので、兄ちゃんとはお別れし自分の寝台に戻る。狭い寝台にいるのも退屈なので、船内を探検することにした。外のデッキに出てしばらく海を眺めたりしながら船内を見て周る。

先ほどの共有スペースのほかにカーペット敷きの共有スペースもある。することがないからここで寝そべっていると、だんだん眠くなってきた。少し昼寝しよう。

昼寝から目が覚めると少しだけ暗くなっている。夕方になったんだと気づく。なんだかだんだん揺れが大きくなってきたな。紀伊水道から外洋に出たからかな。少し寒くなってきたので自分の寝台に戻ってもう一度昼寝の続きをする。

目が覚めるとあたりは真っ暗だ。何時ごろだろう。喉も渇いたので自動販売機がある共有スペースまで行く。そこにある時計をみると夜の11時だ。大分寝てしまったな。ジュースを飲みながら椅子に座っていると、結構揺れが感じられる。フェリーって結構揺れるものなんだなと思いつつ、真っ暗な外を眺めながらボーっとしている。

これだけ揺れると気分が悪くなる人も出てくるんじゃないかな、なんて考えていると少しだけクルマ酔いしたような気分になってきた。これが船酔いの一歩手前だとはこのときは思っていない。とりあえず、寝台に戻って夢の続きをみることにする。

昼間から続けて寝ているので、睡眠は浅い。時々目を覚ますと結構な揺れを感じる。波が足からお尻を通って頭から抜け、またその逆で頭から足のほうに抜けていく感じだ。船の進行方向に対して垂直の方向に寝ているので船にとっては横揺れになる。そんなことを感じながらもまた眠りに落ちていく…

朝4時ごろ目が覚めた。揺れは収まっている。共有スペースへ行きTVを見る。どうやら東京湾に入ったようだ。しばらくするとオフロードの兄ちゃんが青い顔をしてやってきた。どうやら昨日からの揺れが結構堪えたらしい。

聞くと、船酔いでトイレにいったまま、そこで倒れて船員に助けられていた人もいたらしい。兄ちゃんも何度もフェリーに乗っていて、台風にも遭遇したことがあるが、こんなに揺れたのは初めてとのこと。そっかー、そんなに揺れてたんだ。気分はよくなかったけど、船酔いするまでにはならなかったから自分は船に強いのかな。

船は太平洋を西から東に移動する台風と並走したらしく、ずーっと揺れていたのが乗客を苦しめた原因らしい。通常、台風にぶち当たっても2~3時間で台風を通り過ぎ、揺れはその間だけで収まるのだが、今回は台風と並走してしまったので、太平洋にいる間はずっと揺れていたのだ。

いつもより多くの睡眠をとることが出来たのは、この揺れに対する自己防衛で眠りつづけることができたのかな、と思いながら揺れのおさまった共有スペースで雑談していると腹が減ってきた。そういえばコンビニ弁当を食べていなかった。自覚はなかったが揺れのせいで食欲も引っ込んでいたようだ。

コンビニ弁当を食べ、残ったお菓子も食べているとだんだん明るくなり船の両側に岸が遠く見え始めた。外のデッキに出て前方を見るとだんだんと有明の東京フェリーターミナルが近づいてくる。もうすぐ到着だ。

東京湾
もうすぐ到着

フェリーターミナルに船が入ると、港の作業員と船員がロープを投げ渡しながら、船を接岸させる作業を眺める。

やっと東京に到着だ。寝台の下から荷物を取り出し、バイクがある船の駐車場へ行く。みんな既にバイクへ荷物を積み込みはじめている。自分もバイクに荷物を積み込むと少し遅れながら船外へ。

時間はまだ朝の6時前後。早朝のまだすいている都内の道路を走り、一路自宅へ向かう。ここからまだ自宅までは1時間以上かかる道のりだ。

ようやく自宅につくと早速バイクを洗車する。フェリーで大量に睡眠をとったので元気元気。この5日間よく走ってくれた。

洗車
おつかれさん

今回の四国ツーリングは予想以上にいろいろな体験が出来て十分に満足できる内容だった。関東とその近辺をツーリングするだけではなかなかこの体験は出来ない。いろんな景色をみて、いろんな物を食べて、いろんな人にも出会った。無計画ツーリングでは全部その場で決めていくので、偶然に出会うことが多くて退屈しない。また来年も行こう―

四国マップ全走行ルート
全走行ルート